【同意・安全・トラブル】デートDVとは

恋人に、スマホを見せるよう言われる。友だちと会うと不機嫌になる。「お前は何もできない」と言われる。デート代をいつも払わされる。したくないのに、性行為を求められる。そんなことが続いているのに、「愛されているから」「自分が悪いから」と思って、我慢していませんか。
デートDVは、結婚していない恋人どうしの間で起こる暴力のことです。DVというと、殴る・けるといった身体的な暴力を思い浮かべるかもしれません。でも、実際には、言葉や態度、お金、性行為など、いろいろな形の暴力があるんです。
このページでは、デートDVの種類と、気づきにくい理由、相談先をまとめました。被害を受けている人も、周りの人も、自分が加害しているかもしれないと気づいた人も、読んでみてください。
暴力の種類
| 種類 | 例 |
|---|---|
| からだ | たたく・物を投げる・押す・つかむ |
| 心 | 暴言・無視・ばかにする・人前でけなす |
| 束縛 | スマホを見る・友達と会わせない・行動を監視する |
| お金 | お金を返さない・使わせない・払わせる |
| 性的 | したくない行為を強いる・避妊をしない・写真を撮る |
| デジタル | 位置情報を共有させる・SNSを監視する |
からだへの暴力だけがDVではない
「たたかれたことはないから、DVではない」と思っている人も多いですよね。でも、暴言で傷つけられる、行動を監視される、お金を管理される、したくない性行為を強いられる。これらもすべて、暴力なんです。
気づきにくい理由
デートDVは、被害を受けている本人が、なかなか気づけないことがあります。
| 気づきにくい理由 | 例 |
|---|---|
| 愛情だと思ってしまう | 「束縛されるのは愛されているから」 |
| 自分が悪いと思ってしまう | 「私が怒らせたから」 |
| やさしいときもある | 暴力のあとに、とてもやさしくなる |
| 周りに言えない | 恥ずかしい・相手を悪く言いたくない |
| 別れるのがこわい | 何をされるか分からない |
「やさしいとき」があるから離れにくい
デートDVの関係では、暴力のあとに、相手がとてもやさしくなることがよくあります。謝ってくれる、プレゼントをくれる、「もうしない」と約束してくれる。だから、「本当はいい人なんだ」と思って、離れられなくなってしまうんです。でも、そのくり返しこそが、DVの特徴だと言われています。
サインのチェック
| こんなことはありませんか | |
|---|---|
| スマホやSNSを勝手に見られる | |
| 友だちや家族と会うと不機嫌になる | |
| 服装や髪型を決められる | |
| 「お前のせいだ」と責められる | |
| 怒らせないように、いつも気をつかっている | |
| したくない性行為を断れない | |
| 避妊をしてくれない | |
| 別れ話をすると、脅される |
1つでも当てはまるなら、それはデートDVかもしれません。
相談先
内閣府のDV相談窓口では、電話やSNSで相談できる窓口を案内しています。身の危険があるときは110番です。
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| DV相談窓口(内閣府の案内) | 電話・SNSで相談できる窓口の一覧 |
| ワンストップ支援センター(#8891) | 性的な被害の相談 |
| 警察相談専用電話(#9110) | つきまとい・脅しなど |
| 110番 | 身の危険があるとき |
相談するのは、別れることを決めてからでなくてもいいんです。「これってDVなのかな」と迷っている段階でも、相談できます。
周りの人ができること
友だちや家族がデートDVを受けているかもしれない、と感じたら。
- 責めずに、話を聞く
- 「別れなよ」と急かさない(本人がいちばん迷っている)
- 「あなたは悪くない」と伝える
- 相談先の情報を伝える
- 身の危険があるときは、警察に相談する
本人が自分で決められるよう、支えることが大切です。
自分が加害しているかもしれないと気づいたら
相手のスマホを見てしまう、怒ると大きな声を出してしまう、相手の行動を制限してしまう。そんな自分に気づいたら、それを変えようと思えたことが、大切な一歩です。カウンセリングなどで相談できる窓口もあります。
よくある疑問
同性カップルでもデートDVはある?
あります。デートDVは、性別や性的指向にかかわらず、どんな関係でも起こりうるものです。
束縛されるのは、愛されているからじゃない?
相手を思いやることと、相手を支配することは違います。あなたの自由や気持ちが大切にされていないなら、それは愛情ではなく、支配かもしれません。
別れたら、何をされるかこわい
別れ話のときに、暴力がひどくなることもあると言われています。ひとりで別れ話をせず、相談窓口や警察に相談してから、安全な方法を考えてください。
別れるときに気をつけたいこと
デートDVの関係から離れようとするとき、相手が逆上したり、つきまといをしたりすることがあると言われています。
| 気をつけたいこと | 理由 |
|---|---|
| ひとりで別れ話をしない | 2人きりは危険なことがある |
| 人の多い場所で話す・メッセージで伝える | 安全を確保する |
| 信頼できる人に事情を伝えておく | 何かあったときに気づいてもらえる |
| 連絡先を整理する | 別れたあとのつきまといを防ぐ |
| 記録を残す | 暴言・脅しのメッセージは、相談のときに役立つ |
不安なときは、別れ話をする前に、相談窓口や警察に相談して、安全な方法を一緒に考えてもらってください。
自分を取り戻すために
デートDVの関係から離れたあとも、「自分が悪かったのかも」「また同じことになるかも」と、気持ちが揺れることがあります。長いあいだ否定され続けると、自分に自信が持てなくなってしまうこともあるんです。
信頼できる人と過ごす時間、好きなことをする時間を少しずつ増やして、自分を取り戻していってください。つらさが続くときは、カウンセリングで話を聞いてもらうのもひとつの方法です。
デートDVのサイクル
デートDVの関係では、暴力とやさしさがくり返されることがあると言われています。
| 段階 | 起こること |
|---|---|
| 緊張が高まる | 相手の機嫌をうかがい、気をつかう日が続く |
| 暴力が起きる | 暴言・束縛・身体的な暴力など |
| やさしくなる | 謝る・プレゼントをくれる・「もうしない」と約束する |
| また緊張が高まる | しばらくすると、同じことがくり返される |
やさしい時期があるからこそ、「この人は本当はいい人」と思って離れにくくなるんです。このくり返しに気づくことが、自分を守る第一歩です。
デートDVと性のこと
デートDVの中には、性に関する暴力も含まれます。
| 性的な暴力の例 | 考え方 |
|---|---|
| したくないのに性行為を求められる | 断っていい。同意のない行為は暴力 |
| 避妊をしてくれない | 妊娠や性感染症のリスクを押しつけている |
| 性的な写真や動画を撮られる | 悪用されるおそれ |
| 性行為を断ると不機嫌になる・責める | 相手を支配しようとしている |
恋人だから、付き合っているから、断ってはいけない、ということはありません。望まない性行為があったときは、ワンストップ支援センター(#8891)に相談できます。
あなたは悪くない
「自分が怒らせたから」「自分が至らないから」と思ってしまうかもしれません。でも、暴力をふるうのは、ふるう側の問題です。あなたが悪いのではありません。
小さな一歩から
いきなり別れなくてもいいんです。まずは誰かに話してみる、相談窓口の番号をメモしておく。小さな一歩から始めてください。
話せる相手をひとり持つ
デートDVの関係では、相手に交友関係を制限されて、孤立してしまうことがあります。信頼できる人をひとりでも持っておくことが、あなたを守る力になります。
まとめ
デートDVは、恋人どうしの間で起こる暴力で、からだへの暴力だけでなく、暴言、束縛、お金の支配、性的な強要も含まれます。愛情だと思ってしまったり、自分が悪いと思ってしまったりして、気づきにくいのが特徴です。迷っている段階でも、相談できます。あなたは悪くありません。ひとりで抱えずに、相談してください。
- 内閣府男女共同参画局「DV相談窓口」 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/vaw/consult.html