【嗜好の多様性】事前に決めておくこと

パートナーとSMやドミサブを楽しんでみたい。でも、いきなり始めるのはこわいし、相手を傷つけたくない。何をどこまでしていいのか、何を決めておけばいいのか分からない。そんなふうに感じている人は多いと思います。
SMやドミサブを楽しむ人たちのあいだでは、「事前の話し合い」がとても大切にされています。何をするか、何をしないか、止めるときはどうするか。それを前もって決めておくことで、2人とも安心して、役割に身を委ねられるんです。
このページでは、始める前に2人で決めておきたいことをまとめました。
決めておくことの一覧
| こと | 例 |
|---|---|
| してほしいこと | 言葉、リードのされ方 |
| NG | 痛み、跡が残ること、写真 |
| セーフワード | 普段使わない言葉。声が出せないときの手の合図も |
| アフターケア | 終わったあとにくっつく、話す |
| 体調と気分 | 疲れている・お酒を飲んでいる日はしない |
| 役割の範囲 | その時間だけか、日常にも持ち込むか |
してほしいこと・してほしくないこと
まずは、お互いの「してほしいこと」と「してほしくないこと」を伝え合います。
| 分け方 | 中身 |
|---|---|
| してほしい | 試してみたいこと、好きなこと |
| 様子を見ながらなら | 興味はあるけれど、少し不安なこと |
| 絶対にしてほしくない(NG) | どんなときでも、しないでほしいこと |
この3つに分けて書き出してみると、話しやすくなります。「絶対にしてほしくない」ことは、どんなに盛り上がっていても、守るべき約束です。
話し合いは「お互いに」
話し合いは、どちらか一方の希望を聞くだけではなく、お互いの希望を伝え合うものです。リードする側にも、してほしくないことはあります。委ねる側にも、してほしいことがあります。2人の希望が重なるところで、楽しめばいいんです。
セーフワード
セーフワードは、本当にやめてほしいときに使う合図です。プレイの中では、「いや」「やめて」という言葉が、演技として使われることもあります。だから、本当にやめてほしいときのために、ふだん使わない言葉を決めておくんです。
| 決めておくこと | 例 |
|---|---|
| 止める言葉 | ふだんの会話で使わない言葉 |
| 少し緩めてほしい言葉 | 止めるほどではないけれど、加減してほしいとき |
| 声が出せないときの合図 | 手で2回たたく、物を落とす、など |
セーフワードが出たら、すぐに止める。これが、いちばん大切な約束です。くわしくは「セーフワードとは」でまとめています。
アフターケア
アフターケアは、終わったあとに、気持ちとからだを落ち着かせる時間です。
| アフターケアの例 | 意味 |
|---|---|
| 抱きしめる・くっつく | 安心感を取り戻す |
| 飲み物を渡す・毛布をかける | からだをいたわる |
| 感想を話す | よかったこと・嫌だったことを共有する |
| 「ありがとう」を伝える | お互いを認め合う |
役割の中で強い言葉を使ったり、使われたりしたあとは、気持ちが揺れていることがあります。アフターケアの時間に、対等な2人に戻ることが大切なんです。
体調と気分の確認
その日の体調や気分によっては、しないほうがいい日もあります。
| しないほうがいい日 | 理由 |
|---|---|
| お酒に酔っている | 判断がにぶり、加減ができない |
| 疲れている・体調が悪い | 合図に気づきにくい・からだに負担 |
| 気分が落ち込んでいる | 気持ちが傷つきやすい |
| けんかのあと | 本当の怒りが混じってしまう |
始める前に、「今日の調子はどう?」と聞き合うだけでも、事故を防げます。
危険な行為は扱わない
体に危険がある行為(呼吸を妨げるものなど)は、知識があっても事故が起きます。ロコペリでは、その種の行為のやり方は扱いません。
命やからだに危険がある行為は、どんなに同意があっても、取り返しのつかない事故につながることがあります。「やってみたい」と思っても、しないでください。
途中で変わったら
話し合いで決めたことも、実際にやってみると、思っていたのと違うことがあります。
- 「思っていたより嫌だった」なら、次からNGに加える
- 「もっとこうしてほしい」なら、次の話し合いで伝える
- 気持ちが変わったら、いつでも話し合い直していい
一度決めたら終わりではなく、何度でも話し合って、2人の形を育てていけばいいんです。
よくある疑問
話し合うと盛り上がらない?
話し合いをしっかりしておくほうが、安心して役割に入れて、かえって楽しめると言われています。
書き出したほうがいい?
チェックリストのように書き出して、2人で見比べる人もいます。言葉にしにくいことも、書けば伝えやすくなります。
セーフワードを使ったら、相手をがっかりさせる?
セーフワードは、使っていい合図です。使ってくれたことで、相手も安心して加減できるんです。
話し合いのためのチェックリスト
言葉にしにくいときは、紙に書き出して見せ合うのもひとつの方法です。
| 項目 | してほしい | 様子を見ながら | NG |
|---|---|---|---|
| 言葉でリードされる | |||
| 呼び方を決める | |||
| 目隠し | |||
| 軽く押さえられる | |||
| 跡が残ること | |||
| 写真・動画 |
それぞれの項目に、自分の気持ちで印をつけて見せ合うと、話しやすくなります。項目は、2人で自由に足したり減らしたりしてください。迷うものは「様子を見ながら」にしておき、試したあとにまた話し合えばいいんです。
決めたことを記録しておく
話し合いで決めたことは、メモに残しておくと、あとで見返せて安心です。
| 記録しておくこと | 例 |
|---|---|
| してほしいこと | 言葉・呼び方・リードのされ方 |
| NG | 跡が残ること・写真・特定の言葉 |
| セーフワード | 止める言葉・ゆるめる言葉・手の合図 |
| アフターケア | 終わったあとにしてほしいこと |
| 決めた日 | 気持ちが変わったら更新する |
メモは、2人だけが見られる場所に残してください。見返すたびに、2人の約束を確かめられます。
はじめて試す日のチェック
| チェック | ポイント |
|---|---|
| 2人とも体調がいい | 疲れや酔いがない |
| 時間に余裕がある | 急がなくていい |
| セーフワードを確かめた | 始める前にもう一度 |
| NGを確かめた | 始める前にもう一度 |
| アフターケアの準備 | 飲み物・ブランケットなど |
はじめての日は、決めたことの中でも、いちばん軽いことから始めてください。うまくいったら、次に少しずつ広げていけばいいんです。
話し合いに応じてくれない相手とは
「話し合いなんて面倒」「その場のノリでいい」と言う相手もいるかもしれません。でも、事前の話し合いを嫌がる相手とは、SMやドミサブを楽しむのは危険です。
- NGやセーフワードを守ってもらえないおそれがある
- 嫌なことをされても止めてもらえないおそれがある
- 同意のない行為につながるおそれがある
話し合いに応じない相手とは、こうした関係を始めないでください。
話し合いは、信頼の証
事前にしっかり話し合えることは、2人のあいだに信頼がある証です。話し合いの時間そのものを、2人の関係を深める時間として大切にしてください。
話し合いのしかたのコツ
話し合いは、ベッドの上ではなく、服を着た状態で、落ち着いた時間にすると、冷静に話せます。カフェや散歩の途中など、リラックスできる場所で、お互いの希望を出し合ってみてください。紙に書き出したものを見せ合うのも、言葉にしにくいことを伝えるいい方法です。
決めすぎなくていい
細かく決めすぎると、窮屈に感じることもあります。大切な約束だけを決めて、あとは話し合いながら進めればいいんです。
まとめ
SMやドミサブを楽しむ前には、してほしいこと・NG・セーフワード・アフターケア・体調と気分を、2人で決めておくのが基本です。話し合いは、お互いの希望を伝え合うもの。危険な行為はしない。途中で気持ちが変わったら、何度でも話し合い直していい。しっかり決めておくことが、安心して楽しむための土台になります。