【年代・ライフステージ】更年期と性欲

40代の半ばを過ぎたころから、からだの変化を感じるようになった。ほてり、気分の波、眠りの浅さ。そして、性行為のときに、前より濡れにくい、痛い、気持ちが向かない。「もう年だから仕方ない」「女として終わったのかな」と、ひとりで落ち込んでいる人もいるかもしれません。
更年期は、閉経の前後の、ホルモンが大きく変化する時期です。からだにも気持ちにも、いろいろな変化が起こります。性の面での変化も、その一部なんです。
でも、更年期の変化は、我慢するしかないものではありません。工夫や治療で楽になることもあります。このページでは、更年期にからだと性欲に起こりやすい変化と、できることをまとめました。
更年期とは
更年期は、一般に閉経の前後の数年間を指します。この時期は、卵巣のはたらきがだんだん弱まり、女性ホルモンが減っていきます。
| 時期 | よくある変化 |
|---|---|
| 閉経の前 | 月経の周期が乱れる・量が変わる |
| 閉経の前後 | ほてり・発汗・気分の波・眠りにくさなど |
| 閉経のあと | 月経が止まる。膣が乾きやすくなる |
変化の出方は、人によって大きく違います。ほとんど気にならない人もいれば、生活に困るほどの不調が出る人もいます。
起こりやすい変化
| 変化 | 例 |
|---|---|
| 潤い | 膣が乾きやすくなる |
| 痛み | 性行為のときに痛む |
| 気持ち | 落ち込み・イライラ、または気楽になる |
| 性欲 | 下がる人もいれば、変わらない・上がる人も |
| 感じ方 | 感じにくくなったと感じる人も |
潤いと痛み
女性ホルモンが減ると、膣の潤いや弾力が減りやすくなります。そのため、性行為のときに、こすれて痛みが出ることがあるんです。痛みがあると、性行為そのものがこわくなって、気持ちも向かなくなる。そんな悪循環になることもあります。
気持ちの変化
更年期には、気分の落ち込みやイライラが出ることがあります。からだの不調も重なって、性的な気持ちになれない、という人も多いです。
前向きになる人もいる
一方で、更年期を過ぎて、妊娠の心配がなくなった、子育てが一段落した、という理由で、かえって性を楽しめるようになった、と感じる人もいます。感じ方は、本当に人それぞれなんです。
できること
- 潤滑ゼリーを使う
- 婦人科で相談する(治療の方法がある)
- パートナーにからだの変化を伝える
| できること | ポイント |
|---|---|
| 潤滑ゼリー | 水性で、コンドーム対応のもの。たっぷり使う |
| 時間をかける | 前戯をゆっくり。からだが温まるまで |
| 婦人科で相談 | 乾燥や痛みには、治療の方法がある |
| 生活を整える | 睡眠・運動・食事 |
| 性行為以外のふれあい | マッサージ・くっついて眠る |
婦人科で相談できること
更年期の不調や、膣の乾燥、性交痛は、婦人科で相談できます。治療の方法もあると言われています。「年齢のせいだから」とあきらめずに、一度相談してみてください。
パートナーとの話し方
更年期の変化は、パートナーには見えにくいものです。
| 伝えたいこと | 言い方の例 |
|---|---|
| からだの変化 | 「最近、濡れにくくて痛いことがあるの」 |
| 気持ちの変化 | 「気分の波があって、気持ちが向かない日もある」 |
| 希望 | 「ゆっくり、ゼリーを使ってくれるとうれしい」 |
| あなたのせいではない | 「あなたが嫌なわけじゃないの」 |
話すことで、パートナーも「自分が嫌われたのでは」と悩まずにすみます。2人で、今のからだに合った楽しみ方を探していけばいいんです。
男性にも年齢による変化がある
男性にも、年齢とともにホルモンが減ることによる変化があると言われます。
| 男性の変化 | 例 |
|---|---|
| 勃起 | かたさや持続が変わる |
| 性欲 | 下がる人もいる |
| 気持ち | 意欲の低下・疲れやすさ |
男性の更年期と呼ばれることもあります。気になるときは、泌尿器科やメンズヘルスの外来で相談できます。2人とも年齢による変化を迎えているなら、お互いに寄りそいながら、関係を続けていけばいいんです。
よくある疑問
閉経したら、性行為はもうできない?
閉経のあとも、性行為を楽しんでいる人はたくさんいます。潤いの変化には、ゼリーや治療で対応できることがあります。
閉経したら避妊はいらない?
閉経がはっきりするまでは、妊娠の可能性があります。閉経したかどうか分からないときは、婦人科で相談してください。
性欲がなくなったのは、更年期のせい?
更年期の影響のこともあれば、ほかの理由(疲れ・ストレス・関係のこと)のこともあります。気になるときは、婦人科で相談してみてください。
更年期のからだと上手に付き合う
更年期の変化は、性のことだけではありません。毎日の生活の中でできるケアも、性の悩みを軽くすることにつながります。
| ケア | ポイント |
|---|---|
| 睡眠 | 眠りが浅くなりやすい時期。寝る前の習慣を整える |
| 運動 | 体を動かすと、気分も体調も整いやすい |
| 食事 | バランスのいい食事で、からだを支える |
| デリケートゾーンの保湿 | 乾燥が気になるときは、専用の保湿剤を使う人もいる |
| 気分転換 | 好きなことをする時間を持つ |
更年期の不調が強いときは、婦人科でホルモンの治療などを相談できることもあります。「みんな通る道だから」と我慢しすぎないでください。
更年期は「終わり」ではない
更年期を迎えると、「女として終わった」と感じてしまう人もいるかもしれません。でも、更年期は、からだが新しい段階に移っていく時期です。閉経のあとも、性を楽しんでいる人はたくさんいます。
妊娠の心配がなくなった、子育てが一段落した、自分の時間が持てるようになった。そうした変化をきっかけに、かえって自分らしい性の楽しみ方を見つけたという人もいます。今のからだに合った形で、自分を大切にしていってください。
更年期のことを、パートナーにどう説明する?
更年期の変化は、パートナーには分かりにくいものです。
| 説明したいこと | 言い方の例 |
|---|---|
| からだの変化 | 「ホルモンが減って、濡れにくくなってるの」 |
| 気持ちの変化 | 「イライラするのは、あなたのせいじゃないの」 |
| してほしいこと | 「ゆっくり、ゼリーを使ってほしい」 |
| 今の気持ち | 「したい気持ちはあるけど、痛いのがこわい」 |
説明することで、パートナーも「どうしていいか分からない」状態から抜け出せます。2人で今のからだに合う形を探していけるんです。
更年期と2人の関係
更年期は、女性だけでなく、パートナーとの関係にも影響することがあります。
| よくあること | できること |
|---|---|
| 性行為の回数が減る | 性行為以外のふれあいを大切にする |
| すれ違いが増える | 気持ちを言葉にして共有する |
| 気分の波で、けんかが増える | 「今はホルモンのせいかも」と2人で受け止める |
一時的なすれ違いがあっても、更年期を一緒に乗り越えたことで、関係が深まったというカップルもいます。
パートナーとして知っておきたいこと
更年期のパートナーがいる人は、変化を責めず、からだと気持ちを気づかってください。「つらいときは言ってね」と伝えるだけでも、相手の心は軽くなります。
自分の変化を責めない
更年期の変化は、誰のせいでもありません。自分を責めずに、今のからだをいたわってあげてください。
更年期を「次の段階」として
更年期は、からだが次の段階へ移っていく時期です。変化に合わせて、自分らしい楽しみ方を見つけていってください。
ゆっくり、自分のペースで。
まとめ
更年期には、女性ホルモンが減って、潤いにくさ・痛み・性欲の変化が出ることがあります。一方で、気持ちが楽になって前向きになる人もいて、感じ方は人それぞれです。潤滑ゼリーを使う、時間をかける、パートナーに伝える、婦人科で相談する。年齢による変化は、我慢するものではありません。今のからだに合った楽しみ方を探していってください。
- ヘルスケアラボ「更年期障害とは?」 https://w-health.jp/climacterium_alarm/about_climacterium/