【女性のからだ】挿入のときに入り口が痛いのはなぜ?

パートナーとのふれあいは好きなのに、挿入のときだけ、入り口のあたりがぴりっと痛む。入ってしまえば少し楽になるけれど、終わったあともひりひりが残る。次のセックスの前から、また痛いかもと身構えてしまう。そんな経験をしている人は少なくありません。
このページでは、挿入のときに入り口が痛い理由と、痛みを減らす工夫をまとめました。奥が痛いときのことは「体位によって痛いとき」に、はじめてのあとも痛いときのことは「はじめてのあとも痛いとき」にまとめています。
入り口が痛くなりやすい理由
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 潤いが足りない | 乾いたままこすれると、入り口の粘膜がひりひりする |
| 緊張している | 入り口のまわりの筋肉がこわばって、きつくなる |
| 前戯が短い | からだが十分にゆるむ前に挿入している |
| 乾燥 | 授乳中・更年期・閉経後・ピルなどで乾きやすいことも |
| 小さな傷 | 前回のこすれや爪の傷が治りきっていない |
| 炎症・感染症 | カンジダ・腟炎・性感染症などで粘膜が荒れている |
| コンドーム・潤滑剤が合わない | 素材や成分で、ひりひり・かゆみが出ることも |
| 痛みへのこわさ | こわさでからだがこわばり、さらに痛くなる |
いちばん多いのは、潤い不足と緊張です。とくに「また痛いかも」というこわさがあると、入り口のまわりの筋肉が自然にこわばって、痛みが強くなる、という悪い循環が起きやすくなります。
痛みを減らす工夫
| 工夫 | やり方 |
|---|---|
| 前戯を長くする | からだと気持ちが十分にゆるむまで、ふれあいの時間をとる |
| 潤滑ゼリーを使う | 入り口とパートナーの性器(またはコンドーム)の両方に |
| ゆっくり入れる | 先端を入り口に当てて、少し止まってから、少しずつ |
| 女性がペースを決める | 女性が上の体位で、自分で深さと速さを調整する |
| 息を吐きながら | 入れるときに、ゆっくり息を吐くと力が抜けやすい |
| 指で慣らす | 先に指1本でふれて、入り口がゆるむのを待つ |
| 痛いときは止まる | 我慢しない。抜いて、ふれあいに戻る |
「入れるとき」を女性が決める
入れるタイミングを女性が決める、と前もって決めておくと、心の準備ができて、こわばりにくくなります。「準備ができたら言うね」「わたしがゆっくり入れるね」と伝えてみてください。
潤滑ゼリーの選び方
| ポイント | 中身 |
|---|---|
| 水性 | コンドームと一緒に使える |
| 低刺激 | 香りや温感の成分で、しみる人もいる |
| 量は多めに | 足りなければ、途中で足す |
乾燥しやすい時期
| 時期 | 理由 |
|---|---|
| 授乳中・産後 | 女性ホルモンが少ない状態が続く |
| 更年期・閉経後 | 女性ホルモンが減り、粘膜が薄く乾きやすい |
| 生理の前後 | 時期によって潤いが変わる |
| 疲れ・ストレス | 興奮しにくく、潤いが出にくい |
乾燥しやすい時期は、潤滑ゼリーを使うのが当たり前、と考えてかまいません。閉経後の乾燥については「閉経のあとの腟の乾燥と、久しぶりの性行為」に。
パートナーへの伝え方
| 伝えたいこと | 言葉の例 |
|---|---|
| 入り口が痛い | 「入れるときに入り口が痛いことがあるの」 |
| ゆっくりしてほしい | 「入れる前に少し止まって、ゆっくりがいい」 |
| ゼリーを使いたい | 「ゼリーを使うと楽なんだ」 |
| 自分のペースで | 「わたしが上になって、自分で入れてもいい?」 |
| 今は痛い | 「ちょっと痛い。一度抜いて」 |
婦人科で相談したい目安
| こんなとき | 考えられること |
|---|---|
| 工夫しても毎回痛い | 腟の入り口の炎症や、ほかの理由があることも |
| かゆみ・おりものの変化がある | カンジダなどの腟炎・性感染症 |
| ひりひりが何日も続く | 傷や炎症が治りきっていない |
| 出血がある | 傷や、ほかの理由がないか確かめたい |
| 入り口に触れるだけで強く痛む | 専門的な診察が必要なこともある |
| こわさで挿入がまったくできない | 心とからだの両面から相談できる |
日本女性心身医学会は、性交にともなう痛みを、女性の性機能の悩みのひとつとして挙げ、性機能外来をもつ婦人科・泌尿器科もあると紹介しています。痛みは、我慢するものではなく、相談していい悩みです。
痛みが怖くて身構えてしまうとき
一度痛い思いをすると、「また痛いかも」と思うだけで、からだがこわばってしまうことがあります。こわばると入り口の筋肉がきゅっと締まり、ますます痛くなる。この悪循環から抜け出すには、「痛くない経験」を少しずつ重ねることが近道です。
| 試したいこと | ポイント |
|---|---|
| 挿入しない日をつくる | ふれあいだけで終わる日があると、気持ちが楽になる |
| 自分の指で確かめる | ひとりの時間に、潤滑ゼリーをつけて入り口にふれてみる |
| 深い呼吸 | 息を吐くときに、からだの力を抜く |
| 「止めていい」を約束 | いつでも止められると思えると、こわばりにくい |
自分のからだに少しずつ慣れていくことは、恥ずかしいことではありません。
よくある疑問
慣れれば痛くなくなる?
慣れて緊張がほぐれると、痛みが減る人もいます。ただ、痛みを我慢して続けると、かえってこわさが強くなることもあります。工夫しても痛いときは、婦人科で相談してください。
コンドームを使うと痛い
コンドームの素材や、潤いが足りないことが理由のこともあります。くわしくは「コンドームの選び方(サイズ・素材・痛いとき)」に。
痛いのを我慢してしまう
我慢しなくていいんです。痛みがあるときは、止める、ふれあいに戻る、と前もって決めておくと、言い出しやすくなります。
入り口が狭いからでは?
膣の入り口は、興奮してからだがゆるむと広がります。「狭いから痛い」と決めつけず、まずは前戯の時間や潤いを見直してみてください。それでも痛みが強いときは、婦人科で相談を。
痛いと言ったら、相手が落ちこんだ
相手もあなたを痛くしたかったわけではないので、驚いて落ちこむことがあります。「教えられてよかった、一緒に工夫したい」と伝えると、ふたりで前を向きやすくなります。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 入り口の痛みが続く | 婦人科・性機能外来のある医療機関 |
| かゆみ・おりものの変化 | 婦人科 |
| 性感染症が心配 | 保健所・婦人科 |
| こわさで挿入できない | 婦人科・カウンセリング |
このページのポイント
- 入り口の痛みは、濡れ不足・緊張・こすれが重なって起こることが多い
- 前戯を長めに、潤滑ゼリーを足し、入れるタイミングは女性が決める
- 痛みが怖いときは、挿入しない日をつくって「痛くない経験」を重ねる
- 毎回強く痛む・出血・かゆみがあるときは婦人科へ
まとめ
挿入のときに入り口が痛いのは、潤いが足りないことと、緊張で入り口がこわばっていることが多いです。前戯を長くする、潤滑ゼリーを使う、ゆっくり入れる、女性がペースを決める、で楽になることが多いです。痛いときは我慢せず、止めてかまいません。毎回痛い、かゆみやおりものの変化がある、出血がある、というときは、婦人科で相談してください。
痛みは、からだからの大切なサインです。我慢を続けるより、ふたりで工夫を試し、必要なら婦人科で相談することが、気持ちいいセックスへの近道になります。
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「性交痛と性交障害」 https://w-health.jp/sexual_concerns/coital_pain/
- 日本女性心身医学会「女性の性機能障害」(性交痛) https://www.jspog.com/general/details_81.html