【心と性】SNSの加工写真と比べてしまう

寝る前にSNSを見ていると、毛穴ひとつない肌、細いあご、大きな目の人ばかり。鏡に映る自分の顔が、急にいやになる。自撮りをすると、加工アプリなしでは投稿できない。加工した写真に慣れて、加工していない自分の顔が受け入れられない。そんな気持ちになる人は、とても多いです。
SNSの見た目は作られていることが多い
| 作られ方 | 中身 |
|---|---|
| 照明 | リングライトなどで、肌の影やしわを消す |
| 角度 | 上から・斜めから。いちばんよく見える角度を選ぶ |
| メイク | 写真映えするメイク |
| フィルター | 肌をなめらかに・目を大きく・あごを細く |
| 加工 | 体型・顔のパーツを変える |
| 選別 | 何十枚も撮って、1枚だけ選ぶ |
「グラススキン」の写真も、照明やメイク、加工で作られていることが多いです。グラススキンについては「グラススキンとは?」に。
比べて落ちこむしくみ
| しくみ | 中身 |
|---|---|
| いちばんいい瞬間と、自分のふだんを比べる | 条件がそろっていない |
| 何人もの「いいところ」を集めて比べる | 現実にはいない理想像になる |
| 毎日たくさん見る | 基準がどんどん上がる |
自分の写真を加工しすぎてしまう
| よくあること | 気になること |
|---|---|
| 加工しないと投稿できない | 加工した顔が「本当の自分」に感じる |
| 加工した顔に近づきたくて整形を考える | 現実にない顔を目指すことになる |
| 会う前に、写真とのギャップが不安 | マッチングアプリで特に |
マッチングアプリの写真と、実際に会うとき
| 考えたいこと | 理由 |
|---|---|
| 加工しすぎない | 会ったときのギャップで、相手も自分も気まずくなる |
| 自然光で、最近の写真を | 信頼につながる |
| 相手の写真も加工されている前提で | 期待しすぎない |
実際に会ったときの印象は、写真よりも、表情・清潔感・話し方で決まることが多いです。「第一印象は見た目のどこで決まる?」に。
比較から距離を置く方法
| 方法 | 中身 |
|---|---|
| 見る時間を決める | 寝る前は見ないなど |
| 落ちこむアカウントをミュートする | 見ないようにする |
| 自分の写真の加工を少しずつ弱める | 加工していない顔に慣れる |
| 鏡で、写真ではない自分を見る | 動いている自分の印象は写真と違う |
| 見た目以外の話ができる人と過ごす | 比較から離れる時間 |
パートナーとの関係
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| パートナーがSNSの人と比べてくる | 傷つくなら伝えていい |
| 自分がパートナーをSNSの人と比べてしまう | 現実の人と、作られた写真を比べている |
| パートナーの加工写真を見て不安になる | 加工は見せ方のひとつ |
つらさが続くとき
比べることで気持ちがとても落ちこむ、見た目のことで外に出られない、などのときは、心のケアを考えてください。「見た目が気になって外に出られない:醜形恐怖症とは」も読んでみてください。
自分の写真との付き合い方
SNSに自分の写真を載せるとき、加工アプリを使うのは、楽しみ方のひとつです。ただ、加工を重ねるうちに、加工していない自分の顔を見るのがつらくなってきたら、少し立ち止まるサインです。
| 気づきのサイン |
|---|
| 加工なしの写真を撮られるのがこわい |
| 鏡の自分より、加工した自分のほうが本当の自分に感じる |
| 加工した顔に近づくために、施術を考えている |
| 写真を撮るたびに落ちこむ |
加工の強さを少しずつ弱めていく、加工しない写真を誰にも見せずに撮ってみる、といった小さな練習で、本来の自分の顔に慣れていく人もいます。
写真と実物の違いを知っておく
| 写真で起きること | 実物では |
|---|---|
| レンズの近くのものが大きく写る(鼻・あご) | 実際より大きく見えることがある |
| 光で肌の質感が変わる | 実物はもっとやわらかく見える |
| 一瞬の表情が切り取られる | 実物は表情が動いている |
| 左右反転のあり・なし | 鏡と写真で違って見える |
自撮りで写った顔に違和感があるのは、こうした写真の性質によることも多いです。人と話しているときのあなたは、写真よりずっと表情豊かに見えています。
恋愛の中の比較
パートナーの元恋人のSNSを見て比べてしまう、パートナーが見ているインフルエンサーと自分を比べてしまう、ということもあります。比べる気持ちが強くなったときは、それを相手に責めるのではなく、「不安になっちゃった」と自分の気持ちとして伝えると、話し合いのきっかけになります。
加工が当たり前になった時代
スマホのカメラやアプリには、肌をなめらかにする、目を大きくする、顔の輪郭を細くする、といった加工の機能が、最初から入っていることが多くなりました。何もしなくても、自動で少し加工された写真が撮れることもあります。
そのため、SNSで目にする写真の多くは、何らかの加工がされていると考えたほうが自然です。芸能人やインフルエンサーの写真だけでなく、友だちの写真も、加工されていることがよくあります。そうした写真と、加工されていない鏡の中の自分を比べると、自分だけが劣っているように感じてしまうのは、無理もないことです。
比べてしまう自分を責める必要はありません。ただ、比べることでつらくなっているなら、見るものや見る時間を少し変えてみると、気持ちが楽になることがあります。
見るものを選ぶ
| 方法 |
|---|
| 見ていてつらくなるアカウントをミュートする |
| 趣味や好きなことのアカウントを増やす |
| 寝る前はSNSを見ない |
| 通知を切る |
加工しない写真を楽しむ
| 方法 |
|---|
| 風景や食べものの写真を撮る |
| 家族や友だちと、自然な表情の写真を撮る |
| 撮った写真を、加工せずにアルバムに残す |
自然な表情の写真を見返すと、加工した写真にはない、その場の空気や楽しさが残っていることに気づく人もいます。
よくある疑問
加工するのは悪いこと?
楽しみ方のひとつで、悪いことではありません。加工した顔と比べて苦しくなっているなら、使い方を見直すサインです。
比べないようにするのが難しい
比べるのは自然なことです。比べる時間を減らす、比べる相手を変える、から始めてください。
加工した顔に整形で近づきたい
加工した顔は、現実の顔の構造では再現できないこともあります。施術を考えるなら、医師に、できること・できないことを聞いてください。
SNSをやめたほうがいい?
やめなくても、見る時間やフォローするアカウントを選ぶだけで、楽になる人も多いです。
比べる気持ちがどうしても止まらない
比べる気持ちが強く、気分が落ちこむ日が続くなら、心療内科やカウンセリングで相談してみてください。
パートナーに「写真と違う」と言われた
写真と実物の印象が違うのは、誰にでもあることです。言われて傷ついたなら、そのことを伝えていいです。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 見た目のことで気持ちがつらい | 精神科・心療内科・「まもろうよ こころ」 |
SNSの見た目の多くは、作られたものです。比べている相手が現実ではないことを、ときどき思い出してください。
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/