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【性教育の基本】人工妊娠中絶とは?受けられる時期と方法

ロコ
ロコの結論
中絶という言葉には重さがあって、調べること自体に気が引ける人も多いですよね。日本では、母体保護法という法律にもとづき、妊娠22週未満まで、指定を受けた医師のもとで受けられます。早い時期ほど選べる方法が多く、からだの負担も小さいと言われています。決める前でも、まず受診して週数を知ってください。

「中絶」と検索するとき、誰かに画面を見られていないか気になったり、調べている自分を責めたくなったりする人もいると思います。でも、知らないまま時間が過ぎることのほうが、からだにも気持ちにも負担が大きくなるんです。

このページでは、人工妊娠中絶がどういう制度で、いつまでに、どんな方法で受けられるのかを、なるべく落ち着いた言葉でまとめました。産むか産まないかを決めるためのページではありません。決めるために必要な事実を、先に知っておくためのページです。

人工妊娠中絶とは

人工妊娠中絶は、母体保護法という法律で、胎児が母体の外では生きられない時期に、人工的に妊娠を終わらせることとされています。

この法律のもとで中絶を行えるのは、都道府県の医師会が指定した医師(母体保護法指定医)です。中絶を受けられる理由も法律に書かれていて、妊娠を続けたり出産したりすることが、からだや経済的な理由で母体の健康を著しく損なうおそれがある場合、そして暴行や脅迫によって妊娠した場合が対象になります。

数字で見ると、厚生労働省の統計では、2024年度の人工妊娠中絶の件数は127,992件でした。決して珍しい選択ではない、ということも知っておいてください。

いつまで受けられる?

時期 呼び方 ポイント
妊娠12週未満 初期中絶 選べる方法が多い。日帰りから短い入院で済むことが多い
妊娠12週〜22週未満 中期中絶 薬で陣痛を起こしてお産に近い形で行う。数日の入院になることが多い
妊娠22週以降 — 中絶は認められていない

妊娠の週数は、最後の生理が始まった日を0週0日として数えます。性行為の日から数えるのではないので、「まだ1か月くらい」と思っていても、実際の週数はもう少し進んでいることがあります。だから、受診して正確な週数を知ることが大事なんです。

どんな方法があるの?

初期の手術

妊娠12週未満の中絶では、子宮の中の内容物を器具で取り出す手術が一般的です。吸い出す方法(吸引法)と、かき出す方法(掻爬法)があります。麻酔をかけて行い、手術自体の時間は短く、日帰りから1泊程度で帰れることが多いとされています。

飲む中絶薬(経口中絶薬)

2023年4月から、日本でも飲み薬による中絶の方法が使えるようになりました。対象は妊娠9週0日までで、2種類の薬を時間をあけて飲みます。母体保護法指定医のもとで使う薬で、入院できる施設で、2つめの薬のあとは院内で待機するという条件が国の通知で示されています。くわしくは読みもの「経口中絶薬とは?」で説明しています。

中期の方法

妊娠12週以降は、薬で子宮の入り口をやわらかくし、陣痛を起こして流産させる方法になります。からだへの負担が大きくなり、入院も数日になるのが一般的です。12週以降の中絶では、役所に死産届を出す手続きも必要になります。

費用のこと

中絶は、病気の治療ではないので、ほとんどの場合、健康保険が使えず全額自己負担になります。金額は医療機関や週数によって大きく違い、初期より中期のほうが高くなります。

「お金がないから受診できない」と抱え込む前に、相談窓口に話してみてください。受診の費用や、使える支援について一緒に調べてもらえることがあります。相手がいるなら、費用を分けて負担することも話し合っていいことです。

受診から当日までの流れ

医療機関によって違いますが、だいたい次のような流れになります。

段階 中身
受診・診察 妊娠の確認と週数の確定。超音波の検査など
説明と同意 方法・リスク・費用の説明。同意書の記入
事前の検査 血液検査など。当日の注意(食事の制限など)の説明
当日 手術または薬の使用
そのあと 数日〜数週間後の診察で、からだの回復を確かめる

同意書については、誰の同意が必要なのかで悩む人が多いので、読みもの「中絶に相手の同意は必要?」に分けてまとめました。

医療機関を選ぶときに聞いておきたいこと

中絶を受ける医療機関は、自分で選べます。予約の電話や最初の受診のときに、次のことを聞いておくと、あとで困りにくくなります。

聞くこと なぜ
母体保護法指定医がいるか 法律上、指定医でないと中絶を行えない
どの方法を扱っているか 吸引法・掻爬法・経口中絶薬など、扱いは医療機関ごとに違う
費用の内訳 診察・検査・手術・薬・術後の診察が含まれているか
日帰りか入院か 仕事や家のことの段取りを考えるため
同意書の扱い 相手の署名が得られない事情があるときの対応
術後に何かあったときの連絡先 夜間・休日に出血や発熱があったときのため

費用が極端に安い、説明があいまい、急かされる、と感じたら、ほかの医療機関も見てから決めてかまいません。

決めるまでに時間がかかってもいい。ただし受診は早めに

産むか、産まないか。すぐに決められる人もいれば、何日も揺れ動く人もいます。どちらもおかしくありません。

ただ、迷っている間にも週数は進みます。だからこそ、決める前に受診して、いま何週なのか、いつまでに決めればいいのかを知っておいてください。期限が見えると、残りの時間をどう使えばいいかも考えやすくなります。誰に相談するか、いつまでに何を決めるか、予定を書き出してみるのもいい方法です。

中絶を考えている人のまわりの人へ

パートナー、友だち、家族から打ち明けられたとき。正しい意見を言うことより、責めないこと、急かさないことのほうがずっと助けになります。

決めるのは、妊娠している本人です。そのうえで、受診に付き添う、費用を一緒に考える、当日の送り迎えをする。そうした具体的な支えが、何よりの力になります。

よくある疑問

中絶すると、次に妊娠できなくなる?

いちばん気になるところですよね。影響があるかどうか、どの程度かは、受けた時期や方法、そのあとの経過、もともとのからだの状態によって変わります。ひとことで「ない」「ある」とは言えないので、受ける前の説明のときに、担当の医師に直接聞いてください。聞いていいことです。

誰にも知られずに受けられる?

医療機関には守秘義務があります。家族に連絡がいくのでは、と不安なら、受診のときに連絡先の扱いを相談してみてください。

ネットで売っている中絶薬を使ってもいい?

日本で承認された経口中絶薬は、登録された医療機関だけに流通していて、薬局やインターネットでは買えません。個人輸入の薬は、偽物や健康被害のおそれがあります。読みもの「経口中絶薬とは?」もあわせて読んでください。

手術は痛い?

初期の手術は、麻酔をかけて行うのが一般的なので、手術の最中に痛みを感じることは少ないと言われています。終わったあとは、生理痛のような下腹部の痛みが出ることがあります。痛みの感じ方には個人差があるので、痛み止めのことも含めて、事前の説明のときに聞いておいてください。こわいと感じていることを、そのまま医師や看護師に伝えていいんです。

相談できるところ

窓口 どんなところ
産婦人科・婦人科 妊娠の確認、週数、方法と費用の説明
妊娠相談窓口サイト(こども家庭庁) 匿名・無料で相談できる全国の窓口を探せる
女性相談支援センター(#8778) 困りごとを抱える女性の相談先。都道府県の窓口につながる

最後に

人工妊娠中絶は、法律にもとづいて医師のもとで受けられる医療です。受けられるのは22週未満まで、早いほど選べる方法が多い。この2つだけでも覚えておいてください。どんな選択をするにしても、1人で抱えず、医療機関や相談窓口を頼っていいんです。

出典

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