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【性教育の基本】経口中絶薬(飲む中絶薬)とは?

ロコ
ロコの結論
「薬で中絶できるなら、そのほうが楽なのかな」と気になりますよね。日本でも2023年から飲む中絶薬が使えるようになりました。ただ、使えるのは妊娠9週0日までで、母体保護法指定医のもとで、入院できる施設で使う薬です。ネットや個人輸入で手に入れるものではありません。

中絶のことを調べていると、「飲む中絶薬」という言葉を目にすることがあると思います。手術よりこわくなさそう。家で済むなら誰にも知られずにすむかも。そんなふうに思って、詳しく知りたくなる人もいるはずです。

経口中絶薬は、日本では2023年4月に承認された、比較的新しい選択肢です。だからこそ、情報がまだ少なく、ネット上には誤解を招く話も混じっています。このページでは、国の通知などをもとに、使える時期、飲み方、手術との違い、そして気をつけたい点をまとめました。

経口中絶薬とは

経口中絶薬は、2種類の飲み薬を使って、妊娠を終わらせる方法です。日本では「メフィーゴパック」という名前の薬が承認されています。

1つめの薬は、妊娠を続けるために必要なホルモン(黄体ホルモン)の働きを抑えます。2つめの薬は、子宮を収縮させて、子宮の中のものを外に出す働きをします。2つを組み合わせることで、手術をせずに中絶を進める仕組みです。

使える時期と条件

項目 内容
使える時期 子宮の中での妊娠が確認された、妊娠63日(妊娠9週0日)まで
使える医師 母体保護法指定医
使う場所 入院できる施設(病院または有床診療所)として国の通知で示されている
2つめの薬のあと 子宮の中のものが出るまで、入院または院内で待機する

通知で示された条件は、そのあと見直されることもあります。どの医療機関で扱っているか、どんな流れになるかは、受診する医療機関で確かめてください。

使える時期がとても短いのも特徴です。妊娠9週0日は、生理が遅れていると気づいてから、それほど時間がない時期。薬を選びたいなら、なおさら早めの受診が必要です。

飲み方の流れ

国の通知では、次の流れが示されています。

段階 内容
1つめ ミフェプリストンという薬を1錠飲む
36〜48時間後 ミソプロストールという薬を、ほおと歯ぐきの間に置いて溶かす
そのあと 子宮の中のものが出るまで、入院または院内で待つ
後日 診察で、中絶が完了したかを確かめる

2つめの薬を使ったあとは、生理より強い腹痛や、多めの出血が起こることが多いと言われています。痛み止めの使い方や、出血がどのくらいなら様子を見ていいのかは、医療機関から説明があります。

手術との違い

経口中絶薬 初期の手術
使える時期 妊娠9週0日まで 妊娠12週未満
方法 2種類の薬を飲む 麻酔をかけて器具で取り出す
かかる時間 2つめの薬から、出るまで待つ時間がかかる 手術自体は短い
からだの感じ方 腹痛と出血を、意識がある状態で経験する 麻酔中なので手術中の痛みは感じにくい
完了しなかったとき 追加の処置(手術)が必要になることがある —

ピルコンの案内では、治験での成功率は93.3%と紹介されています。逆に言えば、薬だけでは終わらず、追加の処置が必要になる人もいる、ということです。

どちらが「楽」かは、人によって違います。麻酔や器具がこわい人もいれば、意識がある中で痛みや出血を経験するほうがつらい人もいます。費用も、医療機関によって手術と同じくらいかかることがあります。説明を聞いて、自分に合うほうを選んでください。

ネットや個人輸入で買ってはいけない理由

ここは、いちばん大事なところです。

日本で承認された経口中絶薬は、決められたルートで、登録された医療機関にだけ流通しています。薬局やインターネットで買うことはできません。厚生労働省は、この薬が承認されたことを受けて、同じ成分の中絶薬は、原則として医師による個人輸入も認めないとしています。

海外のサイトなどで「中絶薬」として売られているものは、本物かどうか分かりません。偽物で効かなかったり、有害な成分が入っていたりするおそれがあります。また、個人輸入した薬で健康被害が起きても、国の副作用の救済制度の対象になりません。

医師の管理なしに使うと、妊娠の週数が分からないまま飲んでしまう、子宮の外で起きている妊娠(異所性妊娠)に気づけない、大量出血に対応できない、といった危険もあります。どんなに追い詰められていても、まず医療機関か相談窓口に連絡してください。

薬を選びたいと思ったら

経口中絶薬は、すべての医療機関で扱っているわけではありません。

すること ポイント
早めに受診する 9週0日までに使い終える必要があるので、時間の余裕がない
扱っているか聞く 予約の電話などで、経口中絶薬を扱っているか確かめる
条件を聞く 入院・待機の時間、費用、完了しなかったときの対応

受診のときに聞いておきたいこと

経口中絶薬を考えているなら、最初の受診で次のことを確かめておくと安心です。

聞くこと なぜ
自分の週数で薬が使えるか 9週0日を過ぎると使えない。予約の待ち時間も含めて考える
入院か、院内待機か。どのくらいの時間か 仕事や家のことの段取りを立てるため
痛み止めは使えるか 2つめの薬のあとに強い腹痛が起こることが多い
費用の内訳 薬・入院・術後の診察・追加の処置が必要になったときの費用
帰宅したあとの連絡先 出血や発熱があったときに、どこに連絡すればいいか

「薬なら簡単そう」と思って受診したら、待機の時間が長くて驚いた、という声もあります。からだの経験としては、短い時間で終わる手術とはまた違う大変さがある。そこまで含めて聞いたうえで選ぶと、あとで「思っていたのと違う」となりにくいです。

薬にするか、手術にするか迷ったら

どちらにするか決められないときは、自分が何をいちばん避けたいかを考えてみてください。麻酔や器具がこわいなら薬、痛みや出血を起きたまま経験するのがこわいなら手術、という考え方もあります。

時期の条件で選べないこともあります。9週0日を過ぎていれば、手術を考えることになります。迷っている時間も週数は進むので、受診して医師と話しながら決めるのがいちばんの近道です。

よくある疑問

家で飲めるの?

国の通知では、入院できる施設で使い、2つめの薬のあとは入院または院内で待機することとされています。自宅で1人で飲む形ではありません。

飲んだあと、どのくらい出血する?

個人差がありますが、生理より多い出血と強い腹痛が起こることが多いと言われています。退院したあとも、しばらく出血が続くことがあります。大量の出血、高い熱、強い痛みが続くときは、すぐに医療機関に連絡してください。

緊急避妊薬と同じもの?

違う薬です。緊急避妊薬は、避妊に失敗したあと72時間以内に飲んで、妊娠を防ぐための薬です。経口中絶薬は、妊娠したあとに、その妊娠を終わらせるための薬です。

同意書は必要?

経口中絶薬も、母体保護法にもとづく中絶なので、手術と同じように同意書が必要です。誰の同意が必要かは、「中絶に相手の同意は必要?」で説明しています。

薬で終わらなかったらどうなる?

確認の診察で、子宮の中にものが残っている、妊娠が続いている、と分かった場合は、手術などの追加の処置を行います。そのための費用がかかるかどうかは医療機関によって違うので、最初に聞いておくと安心です。「薬を選んだのに手術になった」と落ち込む人もいますが、薬だけで終わらない人が一定の割合でいることは、もともと分かっていることです。自分のせいだと思わないでください。

最後に

経口中絶薬は、選択肢を広げる新しい方法です。ただし、使えるのは妊娠9週0日までで、医師のもとで使う薬。ネットで買う薬ではありません。薬を選ぶかどうか迷っている段階でも、まず受診して週数を確かめることが、選べる道を残すことにつながります。

出典

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