【SM・ドミサブ】セーフワードが言えないときの合図

セーフワード(本当にやめてほしいときの合図の言葉)は決めた。でも、実際の場面で、ちゃんと言えるだろうか。目隠しをされている、口がふさがっている、緊張で言葉が出てこない。そんな場面を想像すると、少し不安になりますよね。
このページでは、言葉が出せないときにも「止めて」を伝えるための合図の決め方をまとめました。セーフワードそのものの意味は、用語「セーフワード」にあります。
なぜ、言葉以外の合図が必要なのか
| 言葉が出にくい場面 | 例 |
|---|---|
| 口がふさがっている | ギャグ(口に入れる道具)・キス |
| 息が上がっている | 強い緊張・興奮 |
| 頭が真っ白になる | 強いこわさ・パニック |
| 恥ずかしさで言えない | 「止めたら悪い」と思ってしまう |
| 役に入りこんでいる | 「いや」が演技の一部になっている |
医療情報のMSDマニュアルでも、合意のうえのプレイで安全のための合図が使われなくなると、行為が過激になって重傷や死亡につながるおそれがある、と説明されています。合図は、言葉と、言葉以外の両方を用意しておくのが安心です。
信号の色を使う
| 色 | 意味 |
|---|---|
| 緑 | このままでいい |
| 黄 | ゆるめて・少し待って |
| 赤 | すぐ止めて |
「黄」があると、「止めるほどではないけれど、少し強い」を伝えられます。リードする側が、ときどき「いま何色?」と聞く習慣をつけると、委ねる側も答えやすくなります。
声が出せないときの合図
| 合図 | ポイント |
|---|---|
| 手で相手やベッドを2回たたく | 手が自由なときに |
| 手に持った物を落とす | 鈴・小さなボールなど、落とすと音がするもの |
| 決めたしぐさ | 指を何回か曲げる・首を横にふる |
| うなる・声を出す決まった回数 | 口がふさがっていても出せる音 |
物を落とす合図は、手を拘束していても使えることがあります。始める前に、実際に合図を出して、相手が気づけるかを試しておいてください。
口をふさぐ道具を使うとき
口をふさぐ道具を使うと、言葉の合図は使えなくなります。
| 気をつけること | 理由 |
|---|---|
| 鼻で楽に息ができるか確かめる | 鼻づまりがあるときは使わない |
| 手の合図・物を落とす合図を必ず決める | 言葉が使えない |
| 短い時間で | よだれ・あごの疲れ・息苦しさ |
| 気分が悪そうならすぐ外す | 吐き気があると窒息の危険 |
反応が無いときは止める
合図を決めていても、それに頼りきらないことも大事です。
| こんなときは止める | 理由 |
|---|---|
| 呼びかけに返事が無い | 意識がもうろうとしているおそれ |
| 反応がいつもと違う | 動きが止まる・震える・泣き方が違う |
| 呼吸がおかしい | 息が速い・浅い・止まる |
| 顔色・唇の色が変わる | 青白い・紫っぽい |
「合図が無かったから続けた」ではなく、「様子がおかしいから止めた」が正解です。迷ったら止める。それでがっかりする相手とは、プレイをしないほうが安全です。
合図が出たら
| すること | ポイント |
|---|---|
| すぐ止める | 理由を聞かない・「もう少し」は無し |
| 外せるものは外す | 目隠し・拘束・口の道具 |
| 様子を確かめる | 呼吸・意識・痛み・しびれ |
| 落ち着くまでそばにいる | 毛布・水・言葉 |
| あとで話す | 何がつらかったか、責めずに聞く |
合図を使ってくれたことに、「教えてくれてありがとう」と伝えてください。合図を使ったことを責められると、次から使えなくなってしまいます。
合図を練習しておく
いざというときに合図が出せるように、プレイを始める前に一度練習しておくと安心です。
| 練習すること | ポイント |
|---|---|
| 言葉の合図を声に出す | 照れくさくても、一度言っておく |
| 手の合図を出してみる | 相手が気づけるかを確かめる |
| 物を落としてみる | 音が聞こえるか |
| 合図のあとに止まる | リードする側も、止まる練習をする |
練習しておくと、委ねる側は「出していいんだ」と思えますし、リードする側は合図に気づく準備ができます。
合図を使いにくい関係のサイン
| サイン | 考えたいこと |
|---|---|
| 合図を出すと、相手がため息をつく | 合図を使いにくくさせている |
| 「もう少しがまんして」と言われる | 合図の意味が守られていない |
| 合図を決めることを面倒がる | 安全を軽く見ている |
| 合図のあと、理由を問いつめられる | 次から使えなくなる |
合図を使いにくい相手とは、SMをしないほうが安全です。
プレイの種類と合図の組み合わせ
| プレイ | 使いやすい合図 |
|---|---|
| 言葉責め | 言葉のセーフワード・信号の色 |
| 目隠し | 言葉のセーフワード・手でたたく |
| 手の拘束 | 言葉・物を落とす・首を横にふる |
| 口をふさぐ道具 | 物を落とす・決めた回数うなる |
| 役を演じるプレイ | 役の中では使わない言葉・信号の色 |
プレイの種類ごとに、使える合図は変わります。その日のプレイに合わせて、毎回確かめてください。
よくある疑問
合図を使うと、相手をがっかりさせそう
合図は、使っていいものです。使ってもらえるから、リードする側も安心して加減できるんです。
合図を出したのに止まらなかった
それは、合意を破られたということです。止まらなかったことは、性暴力にあたりえます。ひとりで抱えず、ワンストップ支援センター(#8891)に相談してください。
相手の様子がおかしいのに、合図が出ない
止めてください。意識がない・呼吸がおかしいときは、すぐに119です。
合図を決めたけど、恥ずかしくて言えない気がする
言葉が恥ずかしいなら、手の合図や物を落とす合図をメインにしてもかまいません。言いやすい合図を選ぶことも、安全のうちです。
「黄」を出したのに、続けられた
黄色は「ゆるめて」の合図です。守られなかったなら、赤を出してかまいません。終わったあとに、守られなかったことを伝えてください。
合図のことで、相手とけんかになった
合図を守る・守らないでもめるときは、安全の土台が揺らいでいます。プレイはいったん休んで、落ち着いて話し合ってください。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 意識がない・呼吸がおかしい | 救急(119) |
| 合図を無視された | ワンストップ支援センター(#8891)・警察(#9110) |
| ふたりの話し合いがこじれる | カウンセリング |
止める合図は、もしものための命綱です。言葉と、言葉以外の両方を、始める前に決めておいてください。
- MSDマニュアル家庭版「性的マゾヒズム障害」(安全のための合図を使わなくなると重傷や死亡につながるおそれ) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/パラフィリアとパラフィリア症/性的マゾヒズム障害
- 総務省消防庁「救急車の適時・適切な利用(適正利用)」 https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/