【SM・ドミサブ】「したい・したくない・迷う」リストの作り方

SMに興味があるけれど、何をどこまでしたいのか、相手にうまく言えない。相手が何を考えているのかも分からない。話し合おうとしても、照れくさくて、結局「なんとなく」で始めてしまう。そんなことはありませんか。
このページでは、ふたりの好みと限界をそろえるための「したい・したくない・迷う」リストの作り方をまとめました。
リストの基本
| 分け方 | 意味 |
|---|---|
| したい | 試してみたい・好き |
| 迷う | 興味はあるけれどこわい・条件しだい |
| したくない | しない(リミット) |
ふたりそれぞれが、同じ項目について3つのどれかに分けて書きます。口で話すより、紙やスマホのメモに書くほうが、本音を出しやすい人も多いんです。
項目の例(強さ別)
| 段階 | 項目の例 |
|---|---|
| 気持ちの演出 | 主導される・主導する/命令ごっこ/呼び名を変える/言葉でからかう |
| 軽い制限 | 目隠し/手を軽く押さえる/焦らす |
| 軽い刺激 | 軽いスパンキング/くすぐる/羽根などでなでる/温度の変化 |
| 強めの刺激・拘束 | 拘束具/縄/鞭/ろうそく |
| からだに残るもの | 痕を残す |
| 場面・関係 | 首輪・小物/日常の決めごと/「無理やり」を演じる |
| 記録 | 写真・動画(撮らない、が安心) |
ここに無いことを足してもかまいません。命にかかわる行為(首・呼吸など)は、リストに入れる前から「しない」と決めておいてください。
ハードリミットとソフトリミット
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| ハードリミット | 絶対にしないこと。話し合いの余地もない | 首・呼吸/撮影/痕を残す |
| ソフトリミット | 今はしたくないが、条件しだいで変わるかもしれないこと | 「慣れてきたら目隠しも」 |
ソフトリミットは、「いつかしてね」という意味ではありません。相手から押されて変えるものではなく、自分の気持ちが変わったときにだけ、自分から書き直すものです。
ふたりで見比べるとき
| 組み合わせ | どうするか |
|---|---|
| ふたりとも「したい」 | 試す候補。強さと時間を決める |
| 片方「したい」・片方「迷う」 | 迷う理由を聞く。条件を話し合う |
| 片方「したい」・片方「したくない」 | しない。説得しない |
| ふたりとも「迷う」 | 急がない。もう少し知ってから |
| ふたりとも「したくない」 | しない |
いちばん大事なのは、どちらかが「したくない」と書いたら、しないことです。「なんで?」と問いつめたり、「一回だけ」と説得したりしないでください。
話し方のヒント
| 場面 | 言い方の例 |
|---|---|
| 書いたものを見せるとき | 「恥ずかしいけど、正直に書いてみた」 |
| ずれがあったとき | 「ここはしたくないんだね。教えてくれてありがとう」 |
| 理由を聞きたいとき | 「よかったら、迷う理由を聞いてもいい?」(答えたくなければ答えなくていい) |
| 自分の「したくない」を伝えるとき | 「あなたが嫌なわけじゃなくて、これはしたくない」 |
定期的に見直す
| 見直すタイミング | 理由 |
|---|---|
| 何回か試したあと | 実際にやってみて気持ちが変わることがある |
| 体調や暮らしが変わったとき | 妊娠・病気・仕事の変化など |
| 落ちこむことがあったとき | 何がつらかったかを確かめる |
| 数か月に一度 | 気持ちは少しずつ変わる |
リストは、一度書いたら終わりではありません。「したい」が「したくない」に変わってもいいし、その逆もあります。
書いたリストの扱い
リストには、とても個人的なことが書いてあります。人に見られない場所に保管し、ふたりの関係が終わったら消すかどうかも決めておくと安心です。相手のリストを、ほかの人に見せたり話したりしないでください。
リストの書き方の例
| 項目 | 自分 | 相手 | メモ |
|---|---|---|---|
| 目隠し | したい | 迷う | 短い時間から? |
| 手を軽く押さえる | 迷う | したい | 布でゆるく |
| 言葉でからかう | したい | したい | 容姿のことは言わない |
| 軽いスパンキング | したくない | したい | しない |
| 写真・動画 | したくない | したくない | 撮らない |
メモの欄に、条件や気をつけたいことを書いておくと、次に話し合うときに役立ちます。
書きにくいときのヒント
| 書きにくい理由 | ヒント |
|---|---|
| 相手に引かれそう | 先にお互い書いて、同時に見せ合う |
| 自分の好みを認めたくない | 自分だけのメモから始める |
| 項目の名前が恥ずかしい | 自分たちだけの呼び方に変えていい |
| 全部「迷う」になる | それで十分。試しながら書き直す |
完璧なリストを作ることより、話し合うきっかけにすることが目的です。
リストに入れておきたい「安全の項目」
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 体調のこと | 持病・服用中の薬・アレルギー |
| からだのNG | ふれてほしくない場所・古いけが |
| 心のNG | 思い出したくない体験・言われたくない言葉 |
| 合図 | 言葉・言葉以外 |
| 事故のとき | 誰が119を呼ぶか・はさみの場所 |
好みの項目だけでなく、安全の項目もリストに入れておくと、もしものときに慌てません。
よくある疑問
何が「したい」のか、自分でも分からない
分からない項目は、全部「迷う」にしてかまいません。軽いものを試しながら、少しずつ分かっていけば十分です。
相手の「したい」が多すぎて、ついていけない
あなたが「したくない」と書いたものは、しなくていいんです。ふたりとも「したい」ものだけで楽しめる関係なら、それで十分です。
リストを書いたのに、相手が守らない
決めたことを守らない相手とは、SMをしないほうが安全です。くり返されるときは、関係そのものを見直してください。
相手のリストに、知らない言葉が書いてあった
意味を聞いてかまいません。用語辞典で調べてから話すのもいい方法です。知らないことに「したい」と書く必要はありません。
リストを書いてから、相手との関係がぎくしゃくした
お互いの好みの違いが見えて、戸惑うこともあります。違いがあるのは、悪いことではありません。ふたりとも「したい」ものから、ゆっくり始めてください。
過去のパートナーとのリストを使い回してもいい?
相手が変われば、好みも限界も変わります。新しい相手とは、新しく書いてください。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 決めたことを守られず、望まない行為をされた | ワンストップ支援センター(#8891)・警察(#9110) |
| ふたりの話し合いがこじれる | カウンセリング |
リストは、相手を縛るためではなく、ふたりが安心して楽しむための地図です。
- 法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」 https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html