【パートナーと関係】パートナーとのセックスがつらいとき

パートナーのことは好き。でも、セックスの時間が近づくと、気が重くなる。痛いのに言えない、気持ちよくないのに合わせている、断ると機嫌が悪くなるから応じている。そんな日々が続いて、セックスそのものがつらくなっている人もいると思います。
このページでは、パートナーとのセックスがつらいと感じるときの考え方をまとめました。自分を責める前に、つらさの理由を一緒に整理してみてください。
つらさの理由を整理する
| つらさ | よくある理由 |
|---|---|
| 痛い | 潤いの不足・前戯が短い・体位・からだの病気 |
| 気持ちよくない | 相手のやり方が合わない・時間が短い |
| 義務に感じる | 求められると断れない・頻度が合わない |
| こわい | 過去の経験・相手の態度 |
| 気が進まない | 疲れ・ストレス・関係への不満 |
| 自分のからだがいや | 見られるのが恥ずかしい |
まずは、自分のつらさがどれに近いかを考えてみてください。理由によって、できることが変わります。
からだの理由のとき
| からだの理由 | できること |
|---|---|
| 挿入のときに痛い | 前戯を長くする・潤滑ゼリー・体位を変える |
| 毎回痛い・奥が痛い | 婦人科で相談する |
| 乾燥(産後・更年期など) | 潤滑剤・保湿剤・婦人科で相談 |
| 性行為のあとに出血する | 婦人科で相談する |
日本女性心身医学会は、性交にともなう痛みを女性の性機能の悩みのひとつとして挙げ、性機能外来をもつ婦人科・泌尿器科もあると紹介しています。痛みは、相談していい悩みです。
気持ちや関係の理由のとき
| 気持ち・関係 | できること |
|---|---|
| 相手のやり方が合わない | 心地いいことを伝える |
| 頻度が合わない | ふたりで話し合う |
| 断ると機嫌が悪くなる | 断っていいことを、関係の中で確かめる |
| 関係に不満がある | セックスとは別の時間に、不満を話す |
| 疲れている | 休む・しない日をつくる |
伝え方
| 伝えたいこと | 言葉の例 |
|---|---|
| 痛い | 「最近、痛いことが多いんだ。ゆっくりしてほしい」 |
| 気持ちが追いつかない | 「疲れていて、気持ちが追いつかないことがあるの」 |
| 頻度 | 「毎回はつらいから、少し間をあけたいな」 |
| やり方 | 「こうしてくれると気持ちいいんだ」 |
| しばらく休みたい | 「少しの間、セックスはお休みしたい。あなたのことは好きだよ」 |
伝えるときは、ふれあいの最中ではなく、落ち着いた時間に。相手を責めるより、「わたしはこう感じている」を伝える形にすると、話し合いになりやすいです。
しない選択もある
| 選べること | 例 |
|---|---|
| しばらく休む | からだや気持ちが回復するまで |
| ふれあいの形を変える | 挿入しない・キスやハグだけ |
| 頻度を減らす | ふたりで話し合って決める |
セックスをしないことは、関係が終わるということではありません。くっついて眠る、手をつなぐ、言葉で気持ちを伝える。親しさを伝える方法はたくさんあります。
同意のない行為・暴力があるとき
| こんなとき | 考え方 |
|---|---|
| 「やめて」と言ってもやめてくれない | 同意のない行為 |
| 断ると怒る・脅す・無視する | 関係の中での強要 |
| 避妊に協力してくれない | からだを大切にされていない |
| 暴力・物を壊す・お金で縛る | DVの可能性 |
夫婦や恋人どうしでも、同意のない性行為は許されることではありません。ひとりで抱えずに相談してください。
過去の経験がつらさの理由のとき
過去に望まない性行為をされた経験があると、今のパートナーとのセックスがつらく感じられることがあります。日本女性心身医学会も、過去の性虐待や性暴力による性への恐怖心を、性の悩みの心の理由のひとつとして挙げています。昔のことでも、相談できます。
よくある場面と考え方
痛いと言えずに何年も我慢してきた。そのうち、セックスの誘いがあるたびに、体調が悪いふりをして断るようになった。相手との関係もぎくしゃくしてきた。そんな人もいるかもしれません。我慢を続けると、セックスだけでなく、ふたりの関係そのものがつらくなってしまうことがあります。
「実は、ずっと痛かったんだ」と打ち明けるのは、勇気がいることです。でも、打ち明けたことで、相手が「気づかなくてごめん」と受け止めてくれた、というカップルも少なくありません。ひとりで抱えていたものを、ふたりの問題として向き合うことで、道が開けることもあります。
自分のからだと気持ちを守るために
| できること | 例 |
|---|---|
| 「いや」と言う練習 | 小さなことから、断る経験を積む |
| 自分の時間をもつ | 心とからだを休める |
| 信頼できる人に話す | 友だち・家族・専門家 |
| からだの不調を相談する | 痛み・乾燥は婦人科へ |
ふたりの関係を大切にすることと、自分のからだと気持ちを大切にすることは、どちらも同じくらい大事です。
専門家に相談するということ
性のことを人に相談するのは、勇気がいります。でも、婦人科やカウンセラーにとって、性の悩みはよくある相談のひとつです。ひとりで抱えていると、悩みはどんどん大きくなります。話すことで、思っていたより簡単に解決の糸口が見つかることもあります。
よくある疑問
好きなのにつらいのは、相手を好きじゃないから?
そうとは限りません。好きな気持ちと、セックスがつらいことは、両立することがあります。
我慢して応じたほうが、関係がうまくいく?
我慢を続けると、つらさがたまって、かえって関係に影響することもあります。
相手に言ったら、浮気されそうで不安
不安な気持ちも含めて、話してみてください。ひとりで抱えるより、ふたりの問題として向き合うほうが、関係のためになることも多いです。
パートナーとのセックスがつらいのは、自分がわがままだから?
わがままではありません。つらいと感じることには、必ず理由があります。その理由を大切にしてください。
パートナーに痛みを伝えたら、「気のせいだ」と言われた
痛みは本人にしか分かりません。気のせいと言われても、あなたが感じている痛みは本物です。婦人科で相談して、医師の説明を一緒に聞いてもらうのもひとつの方法です。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 痛み・出血・乾燥 | 婦人科・性機能外来のある医療機関 |
| ふたりの関係 | カウンセリング・夫婦カウンセリング |
| 同意のない行為 | ワンストップ支援センター(#8891) |
| DV | 配偶者暴力相談支援センター・警察(#9110) |
このページのポイント
- つらさの理由を整理する
- からだの痛みは婦人科へ
- 落ち着いた時間に伝える
- しない選択もある
- 同意のない行為は相談を
まとめ
パートナーとのセックスがつらいと感じるのは、痛み、やり方、頻度、関係、過去の経験など、いろいろな理由があります。どれも我慢し続けなくていいんです。理由を整理して、落ち着いた時間に伝えて、必要なら婦人科やカウンセリングで相談してください。しない選択もあります。いやだと言っても続けられるなら、それは同意のない行為です。ひとりで抱えずに相談してください。あなたのからだと気持ちは、あなたが守っていいんです。
- 日本女性心身医学会「女性の性機能障害」(性交痛・関係の問題・過去の性暴力による恐怖心) https://www.jspog.com/general/details_81.html
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「性交痛と性交障害」 https://w-health.jp/sexual_concerns/coital_pain/