【セカンドバージン】久しぶりの前に、ひとりでからだを慣らす

何年もしていないと、「ちゃんと入るのかな」「痛かったらどうしよう」と、からだのことが心配になりますよね。相手の前でいきなり確かめるのは、こわいものです。
そんなとき、ひとりの時間に、自分のからだの感覚を確かめておく方法があります。気持ちよさを追いかけるためというより、「いまの自分のからだを知る」ための時間。このページでは、その進め方と、気をつけたいことをまとめました。
ひとりで慣らすと何が分かる?
| 分かること | 当日に役立つこと |
|---|---|
| どのくらいうるおうか | 潤滑ゼリーが必要かどうかを、前もって決められる |
| どこにふれると痛いか・心地いいか | 相手に「ここはゆっくり」と伝えられる |
| 入り口のきつさ | 時間をかける必要があるかが分かる |
| 痛みや出血が出るか | 受診したほうがいいかを判断できる |
自分のからだの「いま」が分かっていると、当日に想像と違って慌てることが減ります。
始める前に
| 準備 | 中身 |
|---|---|
| 時間 | 誰にも邪魔されない、急がなくていい時間を選ぶ |
| 場所 | 温かい部屋で。お風呂上がりはからだがほぐれやすい |
| 手 | 爪を短く切り、手を洗う |
| 潤滑ゼリー | 水溶性のものが扱いやすい |
| 保湿 | 外陰部の乾燥が気になるなら、日ごろから保湿剤を |
閉経のあとや授乳中は、腟がうすく乾燥しやすくなります。ふだんから外陰部を保湿しておくと、ふれたときの痛みがやわらぐことがあります。腟の乾燥については「閉経のあとの腟の乾燥と、久しぶりの性行為」にまとめています。
慣らす順番
いきなり腟の中に入れようとしないことが、いちばんのコツです。外側から、少しずつ進めます。
| 段階 | すること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 下腹や太ももの内側を、手のひらでなでる | からだがリラックスしてくるまで |
| 2 | 外陰部(大陰唇・小陰唇のまわり)にふれる | 痛みが無いかを見る |
| 3 | 潤滑ゼリーをつけて、腟の入り口をなぞる | きつさ・痛みを確かめる |
| 4 | 指1本の先だけを、ゆっくり入れる | 息を吐きながら。痛ければ止める |
| 5 | 慣れてきたら、少し深く・指を変えて | 日をあらためて進めてもいい |
1回で最後まで進まなくてかまいません。今日は2まで、次は3まで、というふうに何日かに分けるほうが、からだが覚えやすいんです。
力の抜き方
腟のまわりの筋肉は、緊張するとかたく閉じてしまいます。息を止めていると気づいたら、ゆっくり長く吐いてください。吐くときにお尻と太ももの力を抜くイメージを持つと、入り口がゆるみやすくなります。
グッズを使うなら
指では届かない、自分の手だと力加減が分かりにくい、というときは、グッズを使う人もいます。久しぶりに慣らす目的なら、細くて、やわらかい素材のものから。
| 選ぶときの見方 | 理由 |
|---|---|
| 細いもの・小さいもの | 入り口に負担をかけにくい |
| 医療用シリコーンなど、肌にやさしい素材 | かぶれにくく、洗いやすい |
| 振動は弱めから | 強い刺激は、かえって痛みにつながることがある |
| 洗えるもの | 清潔に保てる |
グッズの選び方は「はじめてのグッズは何を基準に選ぶ?」に、洗い方は「グッズのお手入れ」にまとめています。シリコーン素材のグッズには、シリコーン系の潤滑剤を使うと素材をいためることがあるので、水溶性を選んでください。
やめたほうがいいサイン
| サイン | すること |
|---|---|
| ふれるだけで強く痛む | 慣らすのをやめて、婦人科へ |
| 出血がある | いったんやめる。閉経後の出血や、続く出血は婦人科へ |
| かゆみ・ただれ・いつもと違うおりもの | 感染症などのことがある。婦人科へ |
| 入り口が固く閉じて、指先も入らない | 無理に広げない。婦人科で相談を |
痛みをがまんして慣らそうとすると、「痛いもの」としてからだが覚えてしまうことがあります。痛みが続く性交痛は、医療機関で原因を調べて治療できることがあると、婦人科の専門家も説明しています。慣らすことより、相談することを先にしてください。
気持ちの面で
ひとりでさわることに、抵抗がある人もいますよね。自分のからだにふれるのは、恥ずかしいことでも、いけないことでもありません。歯みがきや髪の手入れと同じように、自分のからだの手入れのひとつと考えてみてください。
途中で悲しくなったり、昔のことを思い出したりしたら、そこでやめていいんです。
慣らす時間を心地よくする工夫
| 工夫 | 中身 |
|---|---|
| 照明を落とす | 明るすぎると緊張しやすい |
| 好きな音楽をかける | 気持ちがほぐれる |
| スマホを離す | 通知で集中が途切れない |
| 終わったら温かい飲み物 | からだと気持ちを落ち着かせる |
慣らす時間は、練習というより、自分をいたわる時間と考えてみてください。そう思えると、からだの力も抜けやすくなります。
パートナーと一緒に慣らすとき
ひとりではなく、パートナーと一緒に慣らしていく方法もあります。
| 進め方 | ポイント |
|---|---|
| 最初はふれるだけ | 挿入はしない約束で |
| 自分の手を相手の手に重ねる | 強さと場所を自分で伝えられる |
| 痛みが出たら、その日は終わり | 次の日にまた少しだけ |
よくある疑問
毎日したほうがいい?
決まりはありません。週に何回か、気が向いたときで十分です。疲れているときや気が乗らないときは休んでください。
慣らしておけば、当日は痛くない?
痛みが小さくなることは期待できますが、相手とのときは緊張の度合いも違います。当日も潤滑ゼリーを用意して、ゆっくり進めることは変わりません。
パートナーに知られたくない
ひとりの時間に何をするかは、あなたが決めていいことです。話したくなったら話せばいいし、話さなくてもかまいません。
閉経のあとでも、慣らせば戻る?
保湿や潤滑ゼリーで楽になる人もいますが、乾燥が強いときは、婦人科で相談できる治療もあります。ひとりで抱えずに相談してください。
指が入らないのは、からだの問題?
緊張で入り口が固く閉じることもあれば、からだの理由があることもあります。痛くて指先も入らないときは、無理をせず婦人科で相談してください。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 痛み・出血・乾燥 | 婦人科 |
| 入り口が固く閉じてしまう | 婦人科・性の悩みを扱う外来 |
| 気持ちのつらさ | 心療内科・カウンセリング |
自分のからだを知っておくことは、相手と過ごす時間を自分で守る準備にもなります。焦らず、痛くないところまでで十分です。
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修)「性交痛と性交障害」 https://w-health.jp/sexual_concerns/coital_pain/
- 日本産婦人科医会「相談されないと対応しない性交痛のケア」 https://www.jaog.or.jp/lecture/13-%E7%9B%B8%E8%AB%87%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E6%80%A7%E4%BA%A4%E7%97%9B%E3%81%AE%E3%82%B1%E3%82%A2/