【美容】美容医療とは?保険が使えない「自由診療」のこと

SNSを開くと、二重整形・脱毛・ボトックス・ハイフの広告。友だちも「ちょっとやってきた」と気軽に話している。美容医療は、ずいぶん身近になりました。でも、ふつうの病院とは何が違うのか、何に気をつければいいのか、知らないまま予約してしまう人も多いです。
美容医療とは
美容医療は、病気を治すためではなく、見た目を整えることを目的にした医療です。医師(または医師の指示を受けた看護師など)が行います。
| よくある施術 | 例 |
|---|---|
| 肌の施術 | シミ取りレーザー・ピーリング・水光注射・ハイフ |
| 注射 | ボトックス・ヒアルロン酸 |
| 脱毛 | 医療レーザー脱毛 |
| 手術 | 二重・鼻・脂肪吸引・豊胸 |
| 薬 | 美容目的の飲み薬・塗り薬 |
保険診療と自由診療の違い
| 保険診療 | 自由診療(美容医療の多く) | |
|---|---|---|
| 目的 | 病気・けがの治療 | 見た目を整える |
| 自己負担 | 多くの人は3割 | 全額 |
| 値段 | 国が決めた点数 | 医療機関が自由に決める |
| 医療機関ごとの差 | 小さい | 大きい(数倍違うことも) |
| 使う薬 | 国内で承認された薬が中心 | 国内で未承認の薬が使われることもある |
| 副作用が出たとき | 公的な救済制度の対象になる薬が多い | 未承認の薬や、承認外の使い方は対象外になることがある |
医薬品の副作用で健康被害が出たときの公的な救済制度は、国内で承認された薬を、決められた使い方で使った場合が対象です。美容医療でよく使われる薬の中には、対象外になるものがあります。受ける前に、使う薬が国内で承認されたものか、聞いてみてください。
トラブルの相談は多い
国民生活センターによると、美容医療サービスについての相談は、2023年度に6,281件、2024年度に10,744件(過去最多)、2025年度に7,944件でした。
| よくある相談 | 例 |
|---|---|
| 契約 | 即日の契約・施術を急かされた。広告と違う高額な契約になった |
| 説明不足 | リスクや副作用の説明がなかった |
| 危害 | 左右差・傷あと・まぶたの下垂など |
| 解約 | 途中でやめたいのに返金されない |
受ける前に確かめること
厚生労働省は、美容医療の施術を受ける前に、次のことを確かめるよう呼びかけています。
| チェック | 中身 |
|---|---|
| 使う薬などを、自分で説明できるか | 何を使うのか分かっているか |
| 効果だけでなく、リスクや副作用も理解し、納得しているか | 説明を受けたか |
| ほかの方法や選択肢の説明を受け、自分で選んだか | ひとつの施術だけを勧められていないか |
| 「今すぐ」必要か | 最後にもう一度考える |
説明を受けていないなら、医師に質問してください。具体的な確かめ方は「カウンセリングで確かめること:医師の説明・リスク・その日の施術」にまとめています。
医療広告のルール
医療機関の広告には、医療法のルールがあります。誇大な広告や、ほかの医療機関より優れていると比べる広告は禁止されています。
| 気をつけたい広告 | 理由 |
|---|---|
| 「絶対」「必ず」「痛くない」 | 効果や安全を言い切っている |
| 「日本一」「No.1」 | 比べて優れていると言っている |
| 体験談だけで効果を見せる | 個人の感想 |
| 費用の最安値だけ大きく書く | 総額が分からない |
SNSの広告については「SNSの広告・モニター募集・『今日だけ割引』で気をつけること」に。
美容医療と「異性としての魅力」
美容医療は、見た目のコンプレックスを軽くして、自信を持てるようになる、という人もいます。一方で、パートナーや誰かに言われたから、という理由だけで受けると、あとで後悔することもあります。
| 考えたいこと | 理由 |
|---|---|
| 自分がどうなりたいか | 他人の好みに合わせすぎない |
| 戻せるか・戻せないか | 手術は元に戻しにくい |
| 費用を払い続けられるか | くり返す施術もある |
見た目へのとらわれがつらいときは「見た目が気になって外に出られない:醜形恐怖症とは」も読んでみてください。
美容医療が身近になったことで起きていること
美容医療は、ここ数年で、ずっと身近なものになりました。SNSで経過を公開する人が増え、ネットで予約が簡単にでき、料金も手が届きやすく見えるものが増えています。若い世代の人や、男性が受けることも珍しくなくなってきました。
その一方で、国民生活センターに寄せられる美容医療の相談も、多い状態が続いています。広告で見た値段と、実際に払った金額が大きく違った、その日のうちに高額な契約をしてしまった、施術のあとにトラブルが起きたのに対応してもらえなかった、などの相談が多く見られます。
厚生労働省は、美容医療を受ける前に確かめてほしいことをまとめた資料を作り、注意を呼びかけています。2024年には、美容医療の適切な実施に関する検討会で、対策についての報告書もまとめられました。
美容医療を考えるときの3つの問い
| 問い | 考えたいこと |
|---|---|
| なぜ受けたいのか | 自分のためか、誰かに言われたからか |
| どこまで受け入れられるか | リスク・ダウンタイム・費用 |
| 受けなかったらどうなるか | ほかの方法で十分なこともある |
受けるかどうか迷うとき
| できること |
|---|
| 複数の医療機関でカウンセリングを受ける |
| その日のうちに決めない |
| 信頼できる人に相談する |
| 公的な機関の情報を読む |
自分らしさを残す
美容医療は、自分の気に入らないところを変えて、自信を持つための手段のひとつです。ただ、施術を重ねるうちに、「もっと」「次はここ」と、どこまでも気になってしまうこともあります。施術を受けるたびに、自分が心地よく過ごせているかを確かめてみてください。「整形をやめられないとき」も読んでみてください。
よくある疑問
美容医療は安全?
医療である以上、どの施術にもリスクがあります。医師の説明を受け、納得してから受けることが大事です。
安いクリニックは危ない?
安さだけで危ないとは言えませんが、広告の値段と実際の総額が違う、という相談は多いです。総額を書面でもらい、比べてください。
美容医療でも保険が使えることはある?
病気として治療が必要な場合(眼瞼下垂・わきが・ケロイドなど)は、保険が使えることがあります。見た目を整える目的のものは、自由診療です。
何歳から受けられる?
医療機関によって決まりがあります。ロコペリは20歳以上の方を対象にしています。
パートナーに美容医療を勧められた
勧められた理由を聞いてみるのはかまいませんが、自分のからだのことを決めるのは自分です。受けたくないなら、断っていいことです。
相談できるところ
| 悩み | 相談先 |
|---|---|
| 施術のあとの異常 | 施術した医療機関・ほかの医療機関・医療安全支援センター |
| 契約・解約のトラブル | 消費者ホットライン188 |
| 医療広告が気になる | 医療機関のある自治体の窓口 |
美容医療は、医療であり、自由診療です。費用・リスク・ほかの選択肢を確かめて、「今すぐ必要か」をもう一度考えてから決めてください。
- 厚生労働省「確認してください!美容医療の施術を受ける前にもう一度!」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04978.html
- 国民生活センター「美容医療サービス」 https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/biyo.html